一般的に保健診療では歯科用金属が未だに使われることが多いのですが,お口の中の金属色が見える見えないということだけでなく,金属アレルギー発症のリスクあり体調不良の原因にならなくもないです.また,口腔内の金属から微量なイオンが溶出していますので味覚にも影響を与えます.

イソジンでうがいした時や,お菓子の包み紙などの金属を間違って口の中に入れてしまったりすると,口の中の金属から変な味がする経験をしたことがあると思いますが,口の中は様々な物質が通り過ぎる場所なので常に同じようなことが少なからず起こっています.

最近では,金属アレルギーや体調不良を懸念してということだけでなく,口の中の金属を全て外したいと来院する患者さんが増えております.

歯科曜金属(保険診療)をセラミック(自費診療)で修復 (1歯 33,000〜44,000 税込)


確かに,う蝕の減少や早期治療によって歯科用金属による修復・補綴治療が減少きています.さらにCAD/CAM 冠の保険導入や歯科用金属の高騰(歯科用金属の価格が以前の約8倍に高騰)もあり,患者さんの審美的に要求だけでなく歯科医師側も極力金属の使用を避ける方向で治療することが多くなってきています.一方で,わが国において約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していると推定されており,歯科用金属アレルギー患者は2000年頃から著しく増加しています.

また.金属アレルギーへの関心は歯科業界だけではなく,アクセサリー・ジュエリー業界,化粧品販売,革製品業界,理美容・エステ,鍼灸,アパレル,楽器製造・販売などの業界でもより安心な新しい商品・サービスを提供するために知識を得ようとしています.

そこで当院では一般社団法人金属アレルギー協会のテキストを入手し,スタッフ教育の一環として利用いたしました.他業種が金属を使用した商品やサービスの適切な利用方法と安全性を考慮しているのに対して,当院としてはそれ以上の安全性を考慮した治療を行わなければと,決意を新たにいたしました.

金属アレルギーマイスターの資格取得いたしました.

一方で,メタルフリー治療を行うにも欠損補綴にはチタンインプラントを選択するようになり,金属製のブリッジを外して金属を骨に埋めるという矛盾が生じてしまいます.確かにチタンアレルギーは約1/100,000 人といわれていましたが,近年ではチタンインプラント埋入患者のチタンアレルギー率は0.6% であった.さらに何らかの金属アレルギーをもつ場合は陽性率が5.3% であったとの報告もあります(Sicilia ら).

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